自動車税の大幅な見直しで損をしないために！2025年と2026年どちらで買うのが得か

2026年度から予定されている「自動車税の大幅な見直し」。その内容は、自動車の取得時と保有時の税負担を大きく左右するもので、これから車の買い替えを検討している人にとっては無視できない話題です。

特に、2025年中に購入するべきか、それとも新制度が始まる2026年を待つべきか…悩ましいところ。

この記事では、自動車税改正の具体的な内容とスケジュールをわかりやすく整理したうえで、タイプ別に「どちらで買うのが得か？」をシミュレーション。節税や補助金も含めた総合的な判断材料をお届けします！

2026年から自動車税が大きく変わる！その背景と改正内容とは

2026年度から、自動車税制度に大幅な見直しが行われる見込みです。これは、単なる増税・減税という話ではなく、制度そのものの構造が変わる可能性を含んでおり、車を持つ人・これから買おうとしている人の行動選択に直結します。では、なぜこのタイミングで改正が進むのか、そしてどんな内容が検討されているのか、順を追って見ていきましょう。

なぜ今、自動車税が見直されるのか

今回の自動車税制見直しは、日本自動車工業会（自工会）が国に対して強く要望していた内容が土台になっています。その背景には、現行制度が抱える「二重課税」や「古い車ほど高い税金がかかる」という不公平感がありました。

たとえば、自動車を購入する際、消費税とともに「環境性能割」という税金がかかります。この2つは、どちらも「取得時」に課税されるため、購入者にとっては実質的な二重課税です。これに対して、自工会は「消費税に一本化すべきだ」と主張。政府側もこの主張に耳を傾け、税制改革が本格的に議論されるようになりました。

加えて、環境性能に応じた課税体系へのシフトも求められています。従来の「排気量」や「年式」に基づく課税は、環境負荷や燃費性能を反映しないため、時代に合っていないとする声が高まっていました。

改正のポイント①：取得時の課税ルールが一本化へ

まず注目すべきは、車を「買うとき」にかかる税金の仕組みが変わるという点です。これまで車の取得時には、以下のような税金が課されていました。

• 消費税（10％）
• 環境性能割（最大3％）

この「環境性能割」が、2026年度以降、消費税に統合される方向で調整が進んでいると報じられています。つまり、車を買う際に「別枠で課される環境性能割」は撤廃され、消費税だけが課されるシンプルな仕組みに変わる可能性があります。

なお、2025年4月1日から2026年3月31日までの間は、環境性能割が一部免税・軽減される措置が予定されています。対象となるのは、電気自動車（EV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）など環境性能が高い車種です。この時期に購入すれば、環境性能割が非課税または1〜2％に抑えられる可能性があり、購入タイミングに大きな影響を与えるでしょう。

改正のポイント②：保有時の自動車税・軽自動車税も見直し

もうひとつの改正ポイントは、「車を持っている間」にかかる毎年の税金、いわゆる自動車税および軽自動車税の見直しです。

現行の自動車税は、基本的に排気量に応じて課税されています。たとえば2000ccクラスの普通車であれば、年間の自動車税はおよそ39,500円です。一方、軽自動車は一律10,800円とされており、排気量に関係なく低水準で維持されています。

この制度についても、「排気量ベースではなく環境性能を基準にすべき」との声が高まっており、今後は燃費基準達成率などをベースにした課税方式への移行が検討されています。特に、ハイブリッド車やEVなどの低燃費・低排出車が有利になる方向です。

さらに、地方税である軽自動車税の見直しは、地方自治体の財源や政策にも影響を与えるため、国と自治体の協議が今後の焦点となります。

2025年と2026年、買い替えるならどちらが得？

2026年度からの自動車税制改正を受け、「今のうちに買ったほうがいいのか、それとも改正を待つべきか」で悩む人は多いはずです。税率の変更、環境性能割の廃止予定、エコカー減税の終了タイミングなどをふまえると、タイミングによって数万円単位の差が出ることも。ここでは、制度のスケジュールと実際の税負担を比較しながら、購入タイミングの判断材料を見ていきましょう。

環境性能割とエコカー減税の適用期間に注目

まず注目すべきは、2025年4月1日から2026年3月31日までの「制度移行期」における特例措置です。この期間中に購入することで、環境性能割が軽減または非課税となる車種があります。

環境性能割の主な内容（2025年4月1日～2026年3月31日適用）：

車種分類	燃費基準	税率
電気自動車（EV）、燃料電池車など	非課税	0％
ハイブリッド車（2030年度基準達成）	達成率85%以上	0％
同上	達成率80%以上	1％
同上	達成率70%以上	2％

このように、2025年度中に購入すれば環境性能割を実質的に回避できるケースも多く、購入タイミングとして有利になる可能性があります。

一方で、2026年以降は環境性能割そのものが廃止・統合され、消費税に一本化される方向。これにより、制度はシンプルになりますが、現行の優遇措置がなくなることを意味します。

また、エコカー減税についても、現時点では2026年4月30日までの新車登録分が対象。このタイミングを過ぎると、減税幅が縮小または制度そのものが終了する可能性もあり、注意が必要です。

ケース別シミュレーション：今買った場合／改正後に買った場合

ここからは、実際に購入するケースを想定して、2025年と2026年それぞれの税負担を比較してみましょう。

ガソリン車の場合（2000ccクラス・一般自家用）

想定条件：

• 車両価格：300万円（税抜）
• 2025年購入 → 環境性能割2％、エコカー減税なし
• 2026年購入 → 環境性能割なし（廃止）、消費税のみ

項目	2025年購入	2026年購入（改正後）
消費税	30万円（10％）	30万円（10％）
環境性能割	6万円（2％）	0円（廃止）
自動車税（年）	約39,500円	見直し予定（不明）
初年度合計	約336万円	約330万円

→ ガソリン車の場合、環境性能割が残る2025年中に買うとやや負担が大きくなる傾向にあります。

ハイブリッド車・EVの場合（燃費基準85％以上）

想定条件：

• 車両価格：350万円（税抜）
• エコカー減税あり
• 2025年購入 → 環境性能割なし、エコカー減税あり
• 2026年購入 → 環境性能割廃止、エコカー減税終了の可能性

項目	2025年購入	2026年購入（改正後）
消費税	35万円（10％）	35万円（10％）
環境性能割	0円（非課税）	0円（廃止）
エコカー減税	約▲2万円	なし or 縮小
自動車税（年）	約30,000円（軽減後）	未定（環境性能に連動する可能性）
初年度合計	約363万円	約365万円〜

→ EV・ハイブリッドの場合は2025年中の方が優遇が大きく、現時点では“早めに買う”ほうが有利です。

まとめると、次のようになります：

車種	今買う方が得	待った方が得
ガソリン車	△（大差なし）	○（環境性能割がなくなる）
ハイブリッド・EV	○（優遇継続中）	△（優遇終了の可能性あり）

このように、「車種」や「燃費性能」によって得になるタイミングは異なります。次のセクションでは、自動車税以外にかかるコストも含めて、さらにリアルな総額判断を行っていきましょう。

見落としがちな「その他のコスト」も要チェック

自動車税や環境性能割などの「税金」は分かりやすい負担ですが、実際にはそれ以外にも車の購入・保有には多くのコストがかかります。購入タイミングを判断する際には、こうした“見えにくい出費”もあわせて比較しておくことが重要です。

自動車税以外にもある！購入・維持にかかるお金

車を所有する際に必要な主な費用は以下の通りです。これらの合計額で「実際にどれくらい得なのか・損なのか」が見えてきます。

項目	内容	おおよその金額（年単位）
車両価格	購入時に支払う本体価格	200万〜500万円（車種による）
消費税	購入時に10％課税	車両価格の10％
自賠責保険	法律で加入が義務付けられている保険	約25,000〜30,000円
任意保険	補償内容や等級によって異なる	年間40,000〜100,000円以上
車検費用	初回3年目、以降2年ごと	50,000〜150,000円（車種や整備内容で変動）
メンテナンス費用	オイル交換やタイヤ交換など	年間約20,000〜50,000円
ガソリン代・電気代	使用頻度・燃費で変動	月5,000〜15,000円程度が一般的

これらに加え、自治体によっては「重量税」や「駐車場代」なども発生します。特に都市部では駐車場代が年間数十万円に達するケースもあり、軽視できません。

補助金や車検・保険などを含めた「本当の出費」比較

タイミングによる税制の違いだけでなく、補助金や将来の維持費も含めて比較しておくと、より現実的な判断ができます。

たとえば、電気自動車（EV）には国の補助金制度「CEV補助金」が適用されることがあります。これは、車種によっては最大85万円程度が支給されるケースもあり、購入時の大きなメリットになります。ただしこの補助金も、年ごとに条件や金額が変動しており、今後の政策次第では減額・終了の可能性もあります。

また、新しい車を早めに買えば、車検費用を後ろ倒しにできるというメリットもあります。たとえば2025年に新車を購入すれば、初回車検は2028年。これが2026年になると、車検タイミングも1年後ろにずれる形になります。

さらに、車両保険（任意保険）の保険料は車両価格に応じて変わるため、補助金などで実質価格が下がると、その分保険料が抑えられる可能性もあります。

つまり、「今買ったほうが税金的に損か得か」だけでなく、

• 補助金の有無
• 維持費の総額
• 車検スケジュール
• 保険料の変動

といった“トータルコスト”での比較が、後悔しない買い替え判断につながるのです。

結論！どんな人が2025年に買うべき？待つべき？

ここまで、制度の改正内容とタイミングによる税負担の違いを見てきました。では、実際に2025年中に購入するのがいいのか、それとも2026年以降に待った方がいいのか…。答えは「人によって異なる」が正解です。

このセクションでは、読者の状況や車種タイプに応じて、どちらがより“お得”かを明確に分類します。

2025年中に買ったほうが良い人

以下に該当する方は、2025年度中の購入を検討する価値が高いと言えます。

• 電気自動車（EV）やハイブリッド車を検討している人
  • 環境性能割が非課税、エコカー減税もまだ適用される
  • CEV補助金などの優遇制度がまだ活用できる
• 補助金や減税を最大限に活用したい人
  • 2026年以降は制度の縮小や廃止の可能性があるため、今がピークの可能性も
• 車検や故障などで急ぎ買い替えが必要な人
  • 改正を待つよりも、費用と時間の面で負担が少ない
• 長く乗る予定があり、初期コストをできるだけ抑えたい人
  • 環境性能割の免除に加え、車検の時期も後ろ倒しにできる

2026年まで待つメリットがある人

一方で、以下のような方は制度改正を待ってから購入した方が合理的かもしれません。

• ガソリン車を検討している人
  • 2026年から環境性能割が廃止され、取得時の税負担が軽減される見込み
  • エコカー減税の対象外であれば、2025年中に急ぐ必要は少ない
• 「排気量ベースの課税」が見直されるのを待ちたい人
  • 自動車税の保有負担が変わることで、維持費が下がる可能性もある
• 購入タイミングに余裕があり、制度の詳細決定を見てから動ける人
  • 法改正が正式に決まる2025年中盤〜後半にかけての動向を見極めたい
• 現行車を下取りに出す場合、相場が上がる可能性を見込んでいる人
  • 特にハイブリッド・EVは需要増で査定額に変動が出る可能性あり

---

まとめると…

タイプ	買うべき時期	理由
EV・ハイブリッド購入検討者	2025年中	減税・補助金が充実
ガソリン車購入検討者	2026年以降	環境性能割が廃止予定
緊急の買い替えが必要な人	2025年中	待つよりコストも安心
状況を見ながら判断したい人	2026年以降	制度の最終決定を待てる

後悔しないためのチェックリスト！買い替え前に確認すべきポイント

自動車税制の改正が迫る中、焦って購入して後悔しないためには「自分にとって本当に得なのはどちらか？」を冷静に見極めることが重要です。そのためには、制度の内容を把握するだけでなく、今の生活スタイルや予算、車の使用目的なども含めて整理しておく必要があります。

ここでは、買い替え前に確認しておきたいチェックポイントをリストアップしました。ひとつひとつ見直して、あなたにとってベストな選択を導き出しましょう。

税制改正に備えて今できる3つのこと

1. 欲しい車のタイプと燃費性能を確認する
   • 自分が検討している車が、環境性能割やエコカー減税の対象かどうかを調べておく。
   • 特にEVやPHEVは補助金対象となる可能性もあるので、自治体の情報も要確認。
2. 2025年4月〜2026年3月の制度移行期間を把握する
   • この1年間は「改正前の優遇」と「改正後の準備」が交差する重要なタイミング。
   • 税負担の比較だけでなく、納期や在庫の情報もチェック。
3. 最新の税制・補助金情報を定期的にチェックする
   • 国土交通省、経済産業省、自動車メーカーの公式サイトなどで制度変更や新発表をフォロー。
   • 2025年中盤以降は、メディア報道も増える見込み。

迷ったときの判断材料チェックリスト

チェック項目	YES／NO
今の車が車検・修理のタイミングにきている
EVやハイブリッド車に興味がある
車の使用頻度が高く、燃費や維持費を抑えたい
少しでも安く買いたいが、制度が複雑で判断に迷う
納車まで数ヶ月かかると聞いて不安になっている
補助金や減税の終了時期を見逃したくない
改正後の制度がどうなるかをもっと見極めたい

このチェックリストを通して、「自分は何を重視しているのか」を明確にすると、自然と進むべき方向が見えてきます。

外部リンク一覧（参考サイト・出典）

No.	タイトル	URL	内容・用途
1	2026年から自動車税改正へ？消費税と環境性能割の見直し案	くるまのニュース	制度改正の背景と、自工会からの要望などを詳しく解説
2	環境性能割の基本と税率一覧（2025年度対応）	SOMPO公式コラム	税率早見表、対象車種別の環境性能割一覧などが明確に
3	2025年以降のエコカー減税・EV補助金まとめ	三井住友海上保険	CEV補助金や自動車取得時の支援制度について解説
4	自動車税の仕組みと見直しの動き	総務省公式サイト	自動車税制度の概要と自治体の視点からの課題
5	軽自動車税と地方財政の関係	猪名川町役場	軽自動車税に関する行政的な背景説明
6	自動車税に関する誤情報のファクトチェック	日本ファクトチェックセンター	誤情報の訂正と正確な制度説明
7	自動車の買い替えと税金負担に関する実例	ちば興銀公式コラム	買い替えタイミングと費用面の比較